数年前、特にコロナ禍前と比較してSNSに触れる機会が増えたと感じる方は多いのではないでしょうか。
ICT総研が行った2022年度SNS利用動向に関する調査によると日本のSNS利用者は8,270万人(普及率82%)で、2024年末には8,388万人へ拡大する見込みとなっており、緩やかにはなっていますが利用者は依然として増えている状況です。
また、利用する目的では「仕事や趣味などの情報収集目的(44.0%)」「仕事やビジネスなどで連絡を取りたい(14.5%)」と、ビジネスにおいてもSNSは重要なツールとなりました。
セミナー情報を含め、SNS上で企業からビジネスに関する情報が発信される頻度が高くなったと感じている方も多いのではないでしょうか。また、自社のセミナーへの集客にSNSをそろそろ本格的に活用したいと考えている方も増えているかもしれません。
セミナーの集客において、SNSの活用は有効だと考えられます。本記事では、なぜSNSを活用することがセミナーの集客に効果的なのか、そして具体的な方法について解説していきますので、セミナー集客手段に悩まれている方の参考になりましたら幸いです。
■SNS集客とは?
SNS集客とは、SNSを活用して自社の商品やサービス、ブランドを認知してもらい、顧客を獲得するマーケティング手法です。
SNSは、多くの人が利用しており、ターゲットを絞って情報を発信することで、効率的に認知度を高め、顧客を獲得することができます。また、ターゲットとするユーザーとのコミュニケーションツールにもなるので、より多くのファンを獲得することもできます。
■セミナー集客にSNS活用が有効な5つの理由
①これまで接点がなかったターゲットへのリーチが可能:
SNSは、多くの人々が日常的に利用しているプラットフォームです。利用者は広範な地域や異なるバックグラウンドや属性を持つ人々で構成されています。
自社のアカウントやイベントページを通じて情報を発信することで、より多くの人々にセミナーの存在を知らせることができます。リアルタイム性が高く、情報量が多いため、発信する内容やタイミング、発信頻度に留意が必要ですがリーチできる母数は自社の既存顧客リストより多いはずです。
②ターゲットへのアプローチ:
SNSを利用することで、より具体的なターゲットにアプローチすることができます。
例えば、FacebookやLinkedInでは広告ターゲティング機能を利用して、地域や職業、興味関心などに基づいて広告を表示することができます。これにより、セミナーのテーマや内容に関心のある人々に直接アプローチし、参加の可能性を高めることができます。
③エンゲージメントの促進:
SNSは双方向のコミュニケーションが可能であることが特徴の一つです。セミナーの集客においては、参加者とのエンゲージメントを促進することが重要ですので、SNSとの相性も良いと考えられます。
SNS上でイベントページを作成し、参加者からの質問やコメントに迅速に対応することで、参加者の関心を高めることができます。また、セミナー前後にSNS上で情報共有やディスカッションを行うことで、参加者同士のコミュニティ形成を促進し、セミナーの価値を高めることができます。
④コンテンツの拡散が容易:
言うまでもありませんが、SNS上ではコンテンツの拡散が容易です。参加者や興味を持つ人々がセミナーの情報を共有することで、倍々に情報が拡散されていきます。
特にTwitterやInstagramではハッシュタグを活用することで、関連する人々が情報を見つけやすくなります。興味深いコンテンツや魅力的なプレゼンテーションを提供することで、参加者が自発的にSNS上で共有し、セミナーの知名度を高めることが可能です。
⑤フィードバックが受けられる
SNSを活用することで、参加者からのフィードバックをリアルタイムで収集することができます。参加者がSNS上で感想や意見を共有することで、セミナーの内容や運営に関する改善点を把握することができます。また、SNS上での参加者との対話を通じて、今後のセミナーやイベントの企画に反映させることも可能です。
自分自身の意見が受け止められた、自分の意見が改善につながったと分かれば、参加者の自社に対するエンゲージメントの促進にもつながります。
圧倒的な利用者の多さと拡散力の高さ、コミュニケーションの双方向性やリアルタイム性をもつSNSの特徴はセミナーの集客だけでなくエンゲージメントを向上させるツールとしても相性が良いと言えるでしょう。
■セミナー集客におすすめなSNS3選
①Facebook:
Facebookは世界中で最も利用者数の多いソーシャルメディアプラットフォームの一つです。「令和3年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」によると、国内の利用者率は全世代平均で32.6%、最も利用者率が高いのは30代で45.7%、続いて40代が41.4%となっていました。ビジネスパーソンや子育て世代をターゲットにしたい場合、facebookの活用は有効と言えそうです。
仕様としても、セミナーの告知やイベントページの作成、広告のターゲティング機能など、集客に役立つ機能が豊富に揃っています。また、Facebookグループやイベントページのコメント機能を活用して参加者とのコミュニケーションを深めることも可能です。
②LinkedIn:
LinkedInは世界200以上の国と地域で8億5,000万を超える人々が利用している、ビジネスに特化したソーシャルプラットフォームです。日本国内では2022年8月に利用者が300万人を突破しました。
LinkedInはラーニング機能もあり、「データ分析入門」「戦略的思考術」など、ビジネスパーソンにとって必要なスキル学習が行えます。他のSNSと比較すると利用者数はまだ少ないですが、学習意欲の高いビジネスパーソンへリーチしたい企業にとっては有効なプラットフォームと言えそうです。
特にビジネスや専門的なトピックに関連するセミナーの集客に効果的だと考えられます。自社のLinkedInページを活用してセミナー情報を共有し、関連グループでのディスカッションや告知も行えます。また、facebookと同様に広告のターゲティング機能を使ってターゲットオーディエンスにリーチすることも可能です。
③Twitter:
Twitterはリアルタイムな情報共有やトレンドの発信に適したプラットフォームです。セミナーの告知や関連するコンテンツのシェア、ハッシュタグを活用した拡散などが行える点が特徴的です。
特にセミナー当日やセッション中のライブツイートなど、参加者とのリアルタイムな対話を促進することもできます。また、インフルエンサーのコネクションなどを活用することで、さらなるリーチ拡大が期待できます。
セミナーの集客手段としてももちろん使えますが、ライブツイートを行うことで参加者とのコミュニケーションの促進に最も向いているのがTwitterと考えられます。
■まとめ:
利用者の多さや拡散力の高さ、コミュニケーションの双方向性やリアルタイム性をもつSNSはセミナーの集客において非常に有効なツールです。これまで接点がなかったターゲットへのリーチ、ターゲットへのアプローチ、エンゲージメントの促進、コンテンツの拡散、フィードバックが得られるなど、多くのメリットがあります。
ただ、情報が溢れていて一度発信した情報が埋もれてしまうことが懸念されますし発信タイミングが早すぎると忘れられてしまうかもしれません。
実施前日や当日にも発信するなど発信タイミングに留意しつつ、メールアドレスなどが分かっている場合はメールでのフォローをしておくと安心です。
SNSの特徴を積極的に活用しながら集客効果を最大化しましょう。